※前置きのあと、ざっくり説明に入ります。
詳しい要件などは就農予定・希望地の県や自治体にお問い合わせください。
国が作った補助制度でも、運用方法は都道府県によって異なります。
令和4年度に枠組みがガラリと変わったとされる新規就農者への補助制度。
私は令和3年度に農業大学校へ通っていて、次年度の就農計画を作成しながら、どうなるんだろうとずっと注視してきました。
農業部門の県職員に尋ねても、
「実際のところ、どうなるかわからない」
と3月になってもずっとそんな状態でした。
報道関係やwebニュースでR3年の秋口にドーンと話題になったものの、
その後はどうなったかよくわからない状態が続きました。
それもそのはず、県職員から後日談として聞いた話ですが、農水省(国)から県に具体的な制度通知が来たのがR4年3月の終わり頃。
県の担当部署はこんな短期間では対応できない(特に新設された「経営発展支援」上限750万円の補助制度)と国に抗議しながら、どうやって運用するのかを年度が始まった4月に決めなければならない始末だったそうで。
結局、私たち令和4年度新規就農者には補助制度がどのように変わったのか、管轄(窓口)の普及センターからは説明が一切ありませんでした。
これに対しては秋頃、県の担当者に抗議しました。
私なんかは、後述する経営開始型が3年に短縮されているのを申し込んだ後に知りました。
(要綱をあまり読まなかったので。。)
新設の経営発展支援の補助は申し込む機会さえ与えられませんでした。。
述べたいことは色々あるのですが前置きは以上にして、制度の変更点をざっくり述べます。
目次
制度の変更点をざっくりまとめ
ざっくり言うと、農合次世代人材投資資金の『経営開始型』が名前をちょっと変えた上で3年に短縮されて、それを補うかのように別枠で「経営発展支援事業」という設備投資に対する補助制度が新設されたという感じです。
1-1.就農準備資金(農業次世代人材投資資金の準備型)
・金額と期間などそのまま変更なし
(細かい要件や対象者の変更は県単位である模様。香川県では先進農家での研修者も受けられるようになった。)
ちなみに、支給時期は年2回で遅いですよ。
なんたって申し込みと審査は年度が始まってからになりますから。
予算も年々絞られてきているというお話も耳に入ってきています。
1-2.経営開始資金(農業次世代人材投資資金の経営開始型)
・期間:5年→3年
・金額:150万円×3年、120万円×2年 → 150万円3年
・世帯所得600万円未満を全期間
・支給時期:半年に1回 → 毎月受給を選択できる(でも自治体からできないと言われた)
2.経営発展支援事業(新設)
補助対象となる事業費の上限は1000万円。
これに対する3/4助成なので補助金の上限は750万円となります。
なお、1-2.経営開始資金を受ける人は事業費上限500万円、補助上限375万円となります。
そして、自己負担の部分は融資が必須。
さらに、受けられるのは就農した1年目に限る(県が国に照会した内容とのこと)。
↓ 経営発展支援事業の要件等
https://www.maff.go.jp/j/new_farmer/n_syunou/attach/pdf/roudou-13.pdf
経営発展事業を受けられた人は全国でもわずかと思われる
令和4年度に新設された経営発展事業の補助制度。
これを受けられた人は全国でもほんのわずかだと思われます。
香川県の中讃地区ではなんと0名とのことです。
私が普及センターへ問い合わせた際、「R4年度に新規就農した人は制度改正のタイミング的な要因で残念ながら受けられません」と言われました。
経営開始資金を受けた人は375万円が、そうでない方は750万円が申し込む機会さえ与えられなかったということです。
具体的に香川県では、就農する自治体に前年9月頃までに次年度の設備投資計画を伝え、名簿に登録される必要があり、それをしていない(名簿に載っていない)人は対象にならないとのこと。
わかりますか?
就農する前年の9月ですよ。
農大に通っている人はまだ後期の講義が始まった段階です。
先進農家に研修中の方でも、来年度就農する農地が決まっていて、何の機械を購入して、どの規模のハウスを建てるかとか、そういう計画の目途を前年9月までにつけ、さらに自治体に相談までできている人はどのくらいいるのでしょうか?
他地域の運用は存じ上げませんが、少なくとも香川県の中讃地区では県もお手上げ状態。
「次年度の新規就農者へは、9月までに就農予定の自治体に設備投資計画を出しておいてくださいと注意喚起をしていた」そうですが、
私たちR4年4月からの就農者は連絡もなくスルーされてしまいました。
私が抗議した部分はここでした。ネガティブ情報を流さないで何してますの?と。
R4年度の新規就農者は経営発展支援事業をどうすれば受けられたか?
回答案:就農開始をR4年6月とかにして少し遅らせて、9月までに市町村役所に相談しておいて、R5年度の予算で補助を受けるようにする。
であれば「可能性があった」とのこと。
就農開始の年月って、ものすごく大切なんですね。
農業補助制度が毎年のように変わる現在においては、来年度予算へ逃げられるよう、就農月を4月ではなくずらして(遅らせて)手続きする必要があるのかもしれません。
参考資料
・令和4年度 担い手への支援施策ガイド 発行:香川県
↓下記サイトに冊子と同様の内容が掲載されています。
・↓ 農水省HP もうR5年度の概算要求が出ていますが。。